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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第31章 耳掃除をしよう(春日山勢)


幸村「あ?まーた何かやらかしたのか?舞のやつ」

佐助「でもさっきより本気度が高い気が…」

兼続「違うっ!今度はあいつの本気の悲鳴だっ!」


横になった視界で、幸村と佐助君がのんびり座っているのに対して、兼続さんは立ち上がっている。

でも今は誰がどうしたとか関係なくて『アイツ』の場所を確認しないと安心できない。


「アイツが居たのっ!どこっ?どこに飛んでいったの?」

幸村「アイツって誰だ?」


死の物狂いで探していたら、ふわりと視界を遮られた。


信玄「姫は見なくていい」

「でもっ…」


同じ部屋にアレが居るのに視界を遮られて地獄にでも落ちた気分だ。

信玄様の手を必死にどけようとすると、今度は肩を引き寄せられてピタリと身体がくっついた。

恐怖に駆られる中、逞しい体が押し当てられると根拠もなく安心感に襲われた。


信玄「落ち着け、もう怖い思いはさせない。
 君は何もしなくていいから、このままで大丈夫だ」
 

心に染み入るような声に恐怖心が薄れていき、でも急に飛んでくるかもしれないからと信玄様に身を任せることにした。


(さっき私を助けてくれた時…信玄様、本気だった……)


アイツが飛んできたのもびっくりしたけど、垣間見えた信玄様の真剣な顔の方にずっとずっとドキドキしている。


(いつも姫って呼ぶのに、名前、呼んでくれた……)


兼続「佐助、仕留めろっ」

佐助「Gか、なるほどっ」

幸村「爺……?」


何かを投げた風切り音がして、ドスッと畳に刺さった。

私の視界を塞いだままの信玄様が『お見事』と言ったから無事に成敗されたようだ。

良かったと安堵すると今度気になるのはこの状況だ。

いつまで目を塞がれ、身体をくっつけ合っていなければならないのか…。

急に照れくささがこみあげて顔が熱くなってきた。


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