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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第31章 耳掃除をしよう(春日山勢)


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とまあこんな流れで、こちらに背を向けて3人が廊下に座っている。

気をきかせたつもりなのか部屋から少しずれて座っているので、声を潜めれば会話が丸聞こえということもなさそうだ。

とても奇妙な状況ではあったけど、信玄様の耳掃除をすることになった。


「では始めます!怖くないですからジッとしていてくださいね。
 もし痛かったら手を上げてください」

幸村「おいおい、子供じゃねぇんだからよ」

「いいの!人生初の耳掃除なんだから、信玄様だって表に出さないだけで緊張しているかもしれないでしょう?
 気づかいよ、気づかい!ちょっとでも安心して欲しいのっ」

幸村「お前なー、いつもそうやって信玄様に弄ばれてるだろうが、懲りない奴だな」

「集中できないから黙ってて!」


幸村が気のない返事をしながらも佐助君と話し始めた。
手元に集中しようとして信玄様と目が合った。


信玄「俺は弄んでいるつもりはないよ。いつでも本気だ」

「っ、……そう、なんですね…。
 とりあえず今は耳掃除します」


うまく受け流せなかった言葉が胸に居座って騒がしい。

耳たぶをつかみ、穴の中を覗きこんだら信玄様がかすかに身じろいだ。


信玄「自分の耳の中がどうなっているか見たことがないのに、そこを覗きこまれるのは恥ずかしいもんだな」


そう言って笑った顔はとても自然な感じだ。


(へぇ…ナチュラルに照れるなんて珍しいな)


初めて見たかもしれない表情にニンマリする。


「気にしないでください。
 安土で耳掃除が流行った時は女中さんも含めると50人近くやりましたから!」

信玄「そんなにやったのか?
 信長は舞に給金でも払った方がいいんじゃないのか?」

「あはは!信長様には褒美をちゃんといただきましたよっ」


やっぱり信玄様は話しやすいなぁと会話を進めながら掃除していく。


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