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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第31章 耳掃除をしよう(春日山勢)


幸村「さあびすってなんだ……んっ……ふっ」

佐助「あ、幸村の色っぽい声、初めて聞いた」

幸村「ばか、何が色っぽ……」


カリカリ……


幸村「んっ!も、もういいっ、舞!」

「あはは、気持ちいいでしょ?
 もし次があったら綿棒じゃなくてこっちで掃除してあげるね!」

幸村「おー…」


いらないって言わないから次があったらしてあげよう。

さて幸村の次は信玄様だ。
伺うようにそっと視線を送ると、信玄様に色っぽく返された。

私の視線までも可愛がるような、そんな大らかさを感じて、頬が熱くなった。


信玄「ようやく俺の番かな。どうせなら姫と二人きりがいいんだが?」

「………皆さんがせっかく集まってくださったんですから、このままでも良いじゃないですか?」

信玄「舞と静かに過ごしたいんだ。
 謙信にはそうしたんだろ、俺にはしてくれないのか?」

「う……」


さっき謙信様と私を二人きりにしてくれたのは信玄様だから、『俺にはしてくれないのか』と言われると断れない。


(わざわざ席を外すなんてちょっとおかしいなと思ったけど、もしかしたら私が断れないようにするためだった?)


考えすぎかなと信玄様を見れば、企みごとなどないというふうにニコリと笑っている。

幸村が『そら始まった』という顔で何か言おうとしたけれど、それよりも早くスマートに動いた人が居た。


兼続「舞と信玄様を二人きりにしないように言われております」

信玄「謙信のやつ手回しが早いな。
 お前の主人に良い思いをさせたのは俺だが、恩を仇で返すつもりか」


(う、やっぱり席を外してくれたのは企んでのことだったのね)


企んでいたことも、兼続さんを煽るような言い方も、その響きのいい声で聞かされるとなんでもない事のように思えてくるから不思議だ。


(兼続さんはなんて答えるんだろう)


できれば丸くおさめて欲しいと思っていたところ、兼続さんは冷静な口調で言った。


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