第31章 耳掃除をしよう(春日山勢)
幸村「っ、別に、俺はこいつに膝枕して欲しいわけじゃないです」
(う、全力で拒否られた)
でも耳掃除なんて無理にするものでないしと、すぐに切り替えて信玄様に話しかけた。
「じゃあ、幸村はやめて信玄様をやりましょう」
信玄「そうか?では遠慮なく……おっと」
信玄様を押しのけたのは幸村で、その表情は少し悔しげだ。
幸村「あっさり引きすぎだろうが!
お前のやり方が危なくないか確かめる。信玄様の前に俺だっ」
「ふふ」
(なんだかんだ理由をつけて、いつも付き合ってくれるから幸村って良いよね)
嫌だとか面倒くせえとかツンツンするくせに、最後には仕方ねぇなと付き合ってくれるから好きだったりする。
「じゃあ次は幸村の番ね」
膝をぽんぽんと叩くと幸村赤くなった。
幸村「おー…、じゃあ頼む」
視線が集まる中で幸村が寝転び、膝にゆっくりと頭を乗せた。
幸村「……」
幸村は頭の位置をずらして調整しているけど、なかなか終わらない。
「幸村、大丈夫?寝心地悪い?」
幸村「いや、そういうわけじゃ…」
「そう?」
佐助「大丈夫だ、舞さん。
幸村はきっと人生初の膝枕に感動しきっているところだから」
「え?」
信玄「姫の膝はどこに頭を乗せても気持ちが良いから感動してるんだろう」
「えぇ…?」
幸村「なっ、勝手に解釈するんじゃねえ!
舞、一思いにやってくれ」
「とどめを刺すような言い方をしなくても…。
しかも痛くないからね?気持ちいいから安心して」
幸村「そうか?佐助にやってもらった時は結構痛かったぞ?」
思い出したのか幸村が顔をしかめている。