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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第31章 耳掃除をしよう(春日山勢)


兼続「この女の企みごとに乗るわけがないだろう」

佐助・幸村「「企みごと?」」


佐助君と幸村は『なんのことだ?』とオウム返しに聞き、私はあまりの言い方に抗議した。


「そんな言い方をしなくても良いじゃないですか!」


兼続さんを耳掃除で陥落させようとしたのは事実だけど、企みごとというにはあまりにも大げさじゃないだろうか。


(兼続さんって、やっぱり意地悪な人だ)

(意地悪、か…)


数か月前、私の膝でくつろいでいた意地悪な人を思い出して安土が恋しくなった。

一緒に居ても揶揄われてムカつくだけなのに、なんだか無性に恋しい。


佐助「舞さんは企みごとをするような女性じゃありません。
 するとしても、こちらがちょっと笑ってしまうような可愛いものに限られます」

幸村「こいつは頭を働かせる前に身体が動くよな」

「幸村……今は感謝するけど、後で覚えときなさいよ」

幸村「はっ!?なんでだよ」

「フォローがフォローになってないじゃん!」

幸村「ふぉ…?」


このまま口げんかに発展か?というタイミングで佐助君が割って入ってくれた。

春日山勢だけじゃなく、私の扱いまで心得てくれているようだ。


佐助「どうどう。二人とも喧嘩はやめよう。
 それより兼続さんにその気がないなら次は幸村がやってもらったら?」

幸村「俺はこの間お前にやってもらったから必要ないだろ」

佐助「またとない機会だからやってもらうと良いよ。
 俺がやるのと違うと思うから」

幸村「そういうもんなのか?」


幸村が怪訝な顔で言い返した時、ちょうど大きな人影が現れた。


信玄「おっと、そろそろ俺の番かと思ったが先客が大勢だな」

「信玄様……」


広々とした客室だけど体格の良い男性が4人も揃うと流石に狭く感じる。


信玄「次は幸の番か?
 佐助にやってもらった時は畳に寝転んだだろうが姫は膝枕してくれるぞ?」


揶揄うように言われて幸村はプイと顔をそむけた。


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