第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)
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謙信「舞、しばらくぶりだな。
兼続はどうだ?」
「とても大事にしてくださるんですよ。
すぐ転ぶからって、ここまで手を引いてくれました」
兼続と二人で過ごすようになってしばらくして謙信は舞を呼び出した。
ふくふくと笑う舞の健やかな様子に、謙信は内心で安堵し本題を切り出した。
謙信「お前達の仲睦まじい様子は耳にしている。
だが求婚を断り続けているらしいな」
「それはまだ結婚は早いかなと思って断っているだけです。
もう少し恋仲でいたいんです」
周囲はいつ求婚を受けるのかと息をひそめて心配しているのに、当の舞はといえば拍子抜けするほどゆっくり構えている。
謙信「言葉通りと受け取っていいのか?
本心は俺の養女になるのにためらいがあるのではないか?」
「違います!そのことに関してはなんのためらいもありません」
兼続と婚姻を結ぶためには、それなりの後ろ盾が必要とのことで、謙信は舞を養女に迎える準備をしていた。
しかしいつまでたっても舞は兼続に色よい返事をしない。元来、気が短い謙信は舞の本意を聞くことにしたのだった。
謙信「いつになったら応えてやるつもりだ?」」
謙信は不思議そうに聞き返した。
「恋仲のうちに関係を深めておきたいですし、将来にむけて準備をしたいんです」
謙信「恋仲のうちに仲を深めたい気持ちは理解できるが準備とはなんのことだ。
祝言の準備なら舞が心配することは何もないぞ?」