第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)
謙信「兼続、罰として執政の任をしばらく解く。
自らの行いに責を負い、舞の世話をしろ。特に体調に気を配れ。
春日山に戻ったら直ちに舞の荷物を兼続の部屋に移す」
兼続「御意。舞が心安らかに過ごせるように努めます」
兼続は畏まって座りなおし、改めて謙信に頭を下げた。
兼続「謙信様。この直江兼続、舞に婚姻の申し出をする許可をいただきたく参りました」
二色の瞳に兼続と兼続の後ろで眠っている舞が映った。
謙信は鮮やかな噛み痕をしばし見つめ、やがてふと目を逸らした。
謙信「心せよ。舞が不安を少しでも見せたら一太刀で済むと思うな。
……直江の家に恥じぬ行いをしろ」
兼続「はっ」
そんな主従の会話など何も知らず、舞は眠り続けた。
駕籠の横で兼続が護衛をしているのにも気づかず、春日山に到着して駕籠からおろされても尚意識朦朧。
出迎えた人々の視線を集めに集めて、そのまま兼続に抱かれて部屋に直行したのだった。