第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)
唇がふれるたびに身体が熱くなり、下肢の間から蜜が滲んだ。
兼続「1つ確認したいんだが、舞に媚薬を思わせる身体の変化はあるか?」
「いいえ。特にそんな感じはしませんが…」
一緒に居るとドキドキするけど兼続さんみたく抑えきれない欲望とは程遠い。
兼続「やはりそうか。これは推測だが、あの媚薬は催淫効果というよりも急速に子種を作る作用があるんじゃないかと思う」
「え、急速に作るって……えぇ……?そんな薬ある?」
現代人の私でも聞いたことがない薬だ。もしそんな薬が存在するなら話題にのぼるはずだけど、一度も耳にしたことはない。
兼続「先の世から来た舞も聞いたことがないか…。
俺も巷に流れる薬について詳しいほうだが、こんな効果のある薬を耳にしたことがない」
「うーん……これから500年の間に原料の何かが絶滅したとか、処方が伝授されなかった、危険物質として忌避されたか、とにかく廃れてしまった薬なのかもしれません」
暗闇にも兼続さんが難しい顔をしているのがわかる。
兼続「達しても快感が得られないのは、射出したよりも多い量の子種が補填されるから…ではないかと思う。
下腹部と陰嚢が異常に熱い。達した瞬間に熱が移動している感もある」
「そ、そうですか…」
実体験している人が言うとすごく生々しくて顔がひきつった。
兼続「もし催淫効果がある薬なら多少は子種に混じるはずだ。
子種が過剰に作られる際の熱を催淫効果だと勘違いしていたが、精を受けても舞になんの変化もないとなると、あの薬に催淫効果はないとみていいだろう。
あの薬はカフンショウとやらがなくても最初から女に効かないものだったんだ」
強い欲望を抱えながら理路整然たる予測を立てたこの人に感心する。
私なら自分の変化に戸惑うばかりで、早く苦しみから逃れたいとオロオロしていたことだろう。
「すごいです、兼続さん……。
ゆっくり考えている時間もなかったのに」
兼続「すごくない。謙信様ならもっと早く答えに行き着いたはずだ」
「謙遜しなくても良いのに。少なくとも私より早く気が付いたんですから、私は兼続さんを尊敬しますよ」
兼続「……」