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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)


兼続「では膝よりも腰を痛めていないか心配するべきだったな」

「そ、そんなところ心配しなくてもいいです……!」


てっきり冗談かと思ったのに兼続さんは私の腰をさすってきた。

今夜は何度も私を押さえつけてきた大きな手が、嘘みたいに優しく触れてくる。

兼続さんがねぎらってくれただけでリラックス効果は抜群で、疲労していた腰がほわっと温かくなった。

あまり気にしていなかったけど腰が疲れていたようだ。


「ん……ありがとうございます。
 でも兼続さんはいつも謙信様第一主義でしょう?こんな緊急事態に謙信様の傍に行かずに私につきっきりで良いんですか?」

兼続「どちらが大事かと甲乙つける対象じゃない。
 この城で謙信様に適う人間は居ないから、お前を優先しているだけだ。
 今宵は舞が一番危険な立場だからな」


それでもちょっとくらいは『お前の方が大事だ』くらい言ってくれてもいいのに兼続さんときたらいつでも公平だ。

まぁ、今まで兼続さんを見ていて公明正大な人だと思っていたから、私と関係を持ったからと言って揺らぐ人じゃないだろう。

それにしても、


「謙信様かぁ…手強いなぁ……」


私の中では謙信様のそばには兼続さん。
兼続さんといえば謙信様。
2人でワンセット。
2人とも超美形でお似合い。

謙信様の居場所にそっと私を置き換えてみたら、なんだか途端に絵がぼんやりとしたものになり、私は兼続さんの引き立て役にしかなっていない。


(私が隣だと全然絵にならない。謙信様にかなう気がしない…)


お二人が完璧すぎるんだと落ち込んでいると、背後で兼続さんが笑っている気配がした。


兼続「謙信様と競ってどうする?
 大名の処遇で落ち込んでいるかと思えばやけにそこを気にするんだな」

「へへ、すみません。
 不安な夜だから、好きな人の気持ちを聞いて落ち着きたいのかもしれませんね」

兼続「俺の気持ちは湯殿で証明したつもりだが?」


兼続さんはそう言って私の髪を何度も梳いてきた。
髪を梳きながら、何かを呼び起こそうとするように私の頬や首、耳に触れてくる。


兼続「俺の気持ちを、もっとわからせて欲しいのか?」

「ん……」


(もしかして私……誘われてる……?)


さっきまで普通に状況確認をしていたはずなのに、押し入れの空気が一気に甘くなった。




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