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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)


兼続「謙信様と話し合い、大名は早急に処分する」

「クビですか?」

兼続「謙信様とお前に危害を加えた罰としては斬首でも軽いな」

「えっ!?クビって首を斬るとかそうじゃなくて、大名をやめさせちゃうの?ってこと」


戦国時代でクビと言ったら斬首刑らしい。
500年のギャップが大きな食い違いをみせた。恐ろしい…。


兼続「この地は違う者が治めることになるだろう。
 大名一家の直接的な処分は謙信様の采配だ」

「そうですか…」


現代人の感覚で言えば斬首はやめてほしい。
この時代の罪の裁き方は、私からすると容赦がなくて残酷すぎる。


兼続「お前が憂う必要はない。
 大名が与えられた職務を全うしなかっただけのことだ」

「……見えないのに、私がもやもやと考えているのがよくわかりましたね」

兼続「ずっと舞を見てきたのだから、どんな時にどんな反応をするか知っているつもりだ」


兼続さんは私のつむじに頬をあて、抱きしめる腕に力をこめてきた。

いつも謙信様の斜め後ろで、鉄仮面の如く控えている人とは思えない甘やかし方だ。


(私のこと、見ていてくれたんだ……)


嬉しさに胸を詰まらせていると、兼続さんが気づかうように脛に手を置いた。


兼続「兎に角(とにかく)舞が無事でよかった。
  今度ばかりは犯されたと…」

「だから大丈夫ですって」


またかと私が笑ったら、兼続さんの腕に力がこもった。


兼続「あの時の俺の心情を知る由もないだろう。この世の終わりかと思ったぞ。
 それにあんなに走って膝は痛くなかったか」

「このくらいの怪我なら子供でも我慢できますよ。
 それに私、こう見えて運動系の部活だったので走るのは得意なんです」

兼続「ブカツが何かわからないが、得意という割に息があがっていたようだが?」


せっかく得意分野を披露したのにからかわれ、うっと言葉がつまった。
でもいつもの兼続さんっぽくて、なんだか嬉しい。


「それはだって……体力を消耗していましたから。
 湯殿で『しつこく』抱いたのはどなたでしたか?」


兼続さんがくすっと笑ったのが聞こえた。どんな顔をして笑っているんだろう。
湯殿も廊下も、押し入れも…ずっと暗い場所ばかり。こんなに近くに居るのに兼続さんの表情が見えなくて残念だ。


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