第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)
この暗がりで一瞬にして顔を識別するなんて、視力も記憶力も凄すぎる。
「宴で私を見かけて可愛いと思ってくださったらしいです。それで自慰の材料に…」
兼続さんがちっと舌打ちした。倒れている男を睨む横顔は、凛々しいながらも不機嫌そうだ。
兼続「どこに目をつけてるんだ?
可愛いだけじゃない、今夜は綺麗だっただろうがっ!」
「え?」
一瞬、目が点になった。
(こんな時に可愛いとか綺麗って……!)
それも怒りながらだなんて、場を忘れてにやけてしまい急いで口元を隠した。
兼続「にやついていないで、とにかくこの部屋を出るぞ」
「は、はいっ」
どこから借りてきたのか男物の羽織をかけられて、誘導されるままに別の部屋に移った。