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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)


――――

舞は脱衣所に置き忘れられていた古い襦袢を、俺は羽織だけ羽織って湯殿を出た。

お互いあられもない格好だが全裸よりはマシだ。そう思って歩いていた時に、運悪く徘徊していた男達と鉢合わせてしまった。


「っ!!!!!」


出会いがしらのことで互いに面喰ったが、俺よりも早く舞が反応した。

片腕を上げて顔を覆い、俺の影に隠れたのだ。
いつになく素早い反応は本能的に危険だと感じたのだろう。


「兼続さんっ…!」

兼続「ちっ、人数が多い。まずいな…」

男1「おっ、おいっ、女だ!」

兼続「逃げるぞっ!!」

「は、はいっ!」

男2「本当だ、女だ…女がいたっ!」

男3「こっちにもまわしてくれよ、頼む。
 もう、辛いんだっ……!」


真っ青になっている舞の手をひいて走った。

追いすがる男達を地に伏せたが、舞をかばいながらでは数が多く、さばききれなかった。

逃げ回っている間に舞の身元が割れ、猶更男達の目の色が変わった。


男3「あの女、舞姫だっ!」

男4「なんだと!?」


今日は謙信様の寵姫がどんな女なのかと、披露目を心待ちにしていた者も多かった。
舞はその期待を裏切らず美しい姿で現れ、たちまち皆の注目を浴びていた。

謙信様と仲睦まじげに笑い、寄っかかって甘える仕草も男達に可愛らしく映ったことだろう。

一般的に姫とは、しとやかで品のあることを良しとされる。

人前で男に寄りかかるなどありえないが、何故か舞がするとあだっぽさはなく、可愛さだけがあまった。

俺も目を惹かれたからわかる――――舞は、男達にとって極上の女だ。


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