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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)


兼続「いつも怯えて隠れていたじゃないか」

「それは…表情を見られたら、私の気持ちがすぐにバレちゃうと思って…」

兼続「それでも時々顔を合わせる機会はあったが、平然としていただろう」

「そういう時は視線を遠くにやっていましたし、ドキドキしないように心の中で数をかぞえていました」

兼続「……」


(1年もそんなくだらない手を使って、気持ちを抑えていただと?)


なんとも馬鹿らしく、そして幼気(いたいけ)なのだろう。


兼続「なぜそうまでして気持ちを隠す必要があったんだ」

「それはだって……見込みないし」


舞は気まずそうに視線を落とした。


兼続「…は?何を言ってるんだ?」

「もうっ!兼続さんが私に振り向いてくれる見込み!の話をしてるんです」

兼続「それは説明されずともわかるが…」


(なんで見込みがないと最初から諦めているんだ?
 俺はこんなにも舞を慕っているのに)


「さっき数人がかりで手足をおさえられ、もうダメだと思って……すごく後悔したんです。
 兼続さんはすごくモテるからって最初から諦めてて、でも綺麗な身体のうちに気持ちだけでも伝えれば良かったって……っ…」


その時の気持ちを思い出したのだろう。突然舞の目に涙が浮かび、瞬く間にぽろぽろと零れ落ちた。

能天気すぎて悲しみの涙など想像もできなかったが、腕の中で『想いを告げていれば良かった』と泣きぬれる姿は酷く劣情をあおった。


(なんということだ…。早苗が気持ちを隠していたのは俺のことを手の届かない存在だと、そう思っていたからなのか?)


腕にしっかり舞を囲い込み、日頃秘めていた胸の内を打ち明けた。


兼続「俺は舞を慕っている」

「したって…とは好き、ということ?」


ピンときていないところをみると先の世で慕っているとは言わないようだ。
同じ日ノ本の人間だが、気持ちが真っすぐ届かない。

ひどくもどかしさを感じた。


兼続「ああ。ただし手出しできない天の宝玉のようだと思っていたがな…」

「憧れ…ってことですか?私はそんな綺麗な人間じゃないです。今夜のことも……身体を洗いましたが汚れている感じがして落ち着きません。
 兼続さんにまで汚れが移る気がして…」





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