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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)


兼続「意味がわかって言っているのか?
 上書きなどと言っていると止まらなくなるのがわからないのか」


俺の内に縛り付けている淫獣が鎖を引きちぎろうとしている。


(舞に触れていいと?)

(どこまで……最後までという意味か?)

(少しは俺に気があると…思っていいのか?)


そんな思いが取り繕っている皮を破って飛び出してきそうだ。

薬の誘惑に心を預けたら、濡れネズミになっても可愛い舞がどうなるかわからない。

しかし内に溜まる欲望が暴れ回っている。
己の感情だというのに、その暴れっぷりは言うことをきかない。


「もちろん、わかっています」

兼続「いや、わかっていないだろうっ!
 今日の今日まで何とも思っていなかった男に何を言ってるんだっ」

「っ!」


舞が俺を好いているかもしれないなどと、ありえないのに。その可能性を否定するために声を荒げた。

今宵は謙信様も居て、謙信様は舞のことを恐らく好いている。家臣としては身を引くべきだ。

慰めてもらうなら謙信様にしろと言いそうになったが、舞の落ち込んだ表情に言葉を飲み込んだ。


「兼続さんは何とも思っていなかったでしょうけど、わ、私は…一目惚れだったんですっ!」

兼続「一目惚れ…?なんの冗談だ」

「なんで冗談にしちゃうんですか。
 私が一目ぼれだって言ってるのにっ」

兼続「しかし……」


ごく真剣な表情から嘘は見受けられない。もともと舞はこの手の冗談を言う人間じゃない。

ならば一目ぼれだったという言葉は事実なのだろうが、しかし…だ。

舞と初めて顔を合わせたのは1年前だが、好意の視線を受けた記憶がない。

蛇に遭遇したカエルのごとく、いつも佐助や幸村の後ろに隠れていたから、視線を感じる以前の問題でまともに顔を合わせたこともないのだ。

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