第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)
兼続「忘れたのか?俺とあの男達は媚薬を飲んだという点で同じだ」
「え……?」
黙って見下ろしていると、水を浴びて白くなっていた頬がみるみる紅色に染まっていく。
暗がりでも認識できるのだからよほど赤い。
兼続「俺が舞を襲うかもしれないという話をしている時になんだ、その反応は」
手桶に水を汲んで頭からかぶった。
ザバッ…!
(頭をどうにか冷やさなくてはまずい)
続けて水をかぶり、半分以上は舞にも水がかかっているだろうが、頬の赤みはそのままだった。
兼続「瞬きをしろ、馬鹿」
見惚れているのかと勘違いしそうなほど視線は動かず、それに耐えるだけで体が疼く。
兼続「…さっさと体を洗え。ここを出るぞ」
気まずさに負けて言うと、舞は身体を見下ろし、そこでやっと肌が透けていることに気づいたようだ。
時すでに遅し、慌てて胸や腹部を隠しても俺の頭には明確な記憶として残っている。
「座ったままでこれ以上洗うのは無理なので、もう大丈夫です。
兼続さんは洗わなくても平気ですか?」
兼続「…ここで俺が湯あみすると言ったら、当然ここで寝間着を脱ぎ、肌をさらさなくてはいけない。
その間舞は俺の裸をじっと見ているつもりか?媚薬を飲んだ俺が、そのまま襲い掛かるとは考えもしないのか」
ばか丁寧に説明してやると、考えなしだった舞はさらに首や鎖骨周辺まで真っ赤にさせた。
「えぇと、どうしよう…。
兼続さんがそんなことする人に思えませんし、見なきゃいいですか…?」
湯あみすると断言したつもりはないが、舞は目を瞑ってしまった。
予想通りの反応といえばそうだが、我慢に徹していた俺もついに限界がやってきた。
水をかぶって己の激情を宥めても、舞の無防備さの前では全く無駄な行為だった。
兼続「この状況で、男の前で目を瞑ったらどうなるか教えてやる」
「っ!?……ん!んん!」
水で濡れた唇に狙いを定め、己の唇で塞いだ。