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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第30章 魔女の薬(兼続さんルート)(R-18)


感ずる柔らかさは乱世で生きるにはあまりにも軟弱で、最弱。

些細な風や雨で死んでしまう羽化したての蝶のようでありながら、俺に向けてくる顔は『守りたい』とでも言っているかのようだ。

心臓が締め付けられ、必死な形相の舞に顔を近づけたが、すんでのところで踏みとどまった。

とどまらなければ口づけていただろう。

段々と理性が蝕まれている感覚にヒヤリとした。


兼続「謙信様に報告するのは義務で、落ち度があったら償いをするのが道理だ。
 当たり前のことに気を割くな」

「だって本当に兼続さんは悪くない!私は感謝してるんですっ」


主張が見事にすれ違っているが、お互い譲る気はなかった。

俺としてはそこに時間をかける気はさらさらなく、舞に欲情している自分をどうにかしたかった。


(しかし俺に襲われる心配はしていないんだな)

(そういえば部屋を訪れた際、俺に触られるのは大丈夫だと言っていたな…)


舞に全く意識されていない。

そう認識した途端、胸を圧迫されたような苦しさがこみあげてきた。

急に口をきかなくなった俺を、舞は不思議そうに見上げてきた。


「あの兼続さん、聞いていますか?」

兼続「聞いている。だがお前が心配すべきは俺のことではなく、お前自身だと思わないのか?」


(何を……俺は何を言ってるんだ……)


「私ですか?兼続さんが男達を追い払ってくれたのに、何を心配する必要が?」


舞は俺に絶対的信頼を寄せている。

髪からぽたぽたと落ちる水滴が、首や顔、胸元に落ち、半透明になっている襦袢には胸の飾りや臍がくっきりと透けている。

気の抜けた顔とは裏腹に、とんでもない色気を放っている。

腹の底に溜まった色欲が、溶かした鉄のようにドロドロになって自制が効かなくなってきた。

『媚薬は我慢できる程度に治まった』と舞を安心させるつもりでいたが、俺はついに白状した。


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