第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)
義元「恋仲同士が良ければ、例え外からおかしく見えてもいいんじゃない?」
信玄「こんなに執着されて、それがいいと言ってるんだから俺達は何も言えないな」
大人の2人は苦笑い交じりにお酒を飲み始めた。
やっぱり大人組は話がわかる。
佐助君と幸村も、まあ、いいんじゃないかと無理やり納得したような顔をして飲んでいる。
よし、これで私達の行動に何か言ってくる人は居なくなった。
「推しぬいは先取りし過ぎたかもしれませんね。
お誕生日の贈り物に変な物をあげて、すみません」
手の平に乗ったぬいがなんとなく寂しそうに転がっている。
謙信「俺は気に入っている。
これがいつも居てくれるおかげで、舞にしたいことが分散されている。
お前にしたいと思うことを全部やればお前に負担を強いるだろうが、こっちの舞のおかげで軽減されている。
俺のように執着が過ぎた男には最適の贈り物だ」
「それは良かったです。はぁ、安心しました。
けど明日お出かけとは聞いていなかったです。寂しいな…」
謙信様が愛しそうに眼を細めた。
謙信「舞と城下に行こうとしていた」
「え?」
謙信「逢瀬に行こう。
この間はすっかりすれ違ってしまったからな。
寒いが俺と歩いてくれるか?」
「はい、喜んで!」
元気よく返事をすると謙信様は嬉しそうに笑い、周りもそっと見守ってくれている。
(やっぱり謙信様と一緒に居られて幸せ)
改めてそう感じられた一瞬だった。