第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)
信玄「可愛いな。何から何まで舞そっくりじゃないか。
俺が貰ってやる」
「それ…誕生日の贈り物なんです!
謙信様に返してください」
信玄「もう1体作ってあげてくれ。それでいいだろ、謙信?」
「そんな…。いじめっ子みたいなことしないでください!」
謙信「何を愚かなことを言っている?
それとはもう寝食をともにして、明日は出かけると約束している。
返してもらおうか」
「えっ、聞いてな、いや、それよりそんなこと言ったら…っ!」
皆は謙信様の言葉に絶句している。
幸村「謙信様が人形と一緒に寝て食って…?
明日でかけるって、約束を……?」
信玄「これはまずいな。医者を呼んでやろうか?」
「いえ、そんな……」
出かけるのは知らされていなかったけど、私だって毎日謙信様ぬいとご飯食べて、仕事にも一緒に行ってる。
佐助「ここまでくると危険水域だ」
幸村「ああ…。今までで一番やべぇ感じがする」
「いや、ちょっと待って…」
私も昨夜、ぬい一緒に寝たし。
出かけるならどこまでも一緒に行きたい。
好きな人と何をしようと別にいいじゃない?
・・・・・・
・・・
・・
ブチ
「もう!~~~~~~~~私達のことはいいじゃないですかっ!
私はありのままの謙信様がすっごい好きなんですっ!!
執着ベトベトでも、束縛したくてしたくてたまらないって顔をして甘やかしてくれる謙信様が好きなんですっ!
その愛情が私の人形に向けられても全然平気ですからほっといてください!
謙信様にも、余計なことは言わないでくださいっ!」
私の大声は大広間の隅々まで響き渡った。
ぬいの話が聞こえていなかった人達は熱烈な愛の告白だと『おお、御屋形様は愛されていますな』と温かい拍手をしてくれた。
私の周りといえば、謙信様はいたく感激して、義元さんと信玄様はニコニコ(にやにや?)、佐助君と兼続さんは無表情で、幸村はぽかんとしている。