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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)


女中「こちらが廊下に落ちていたのですが、もしや舞様の大切なものでは…?」


見れば謙信様のぬいが女中さんの手に…。


「うそ、いつの間に落としちゃったんだろう!?
 ありがとう!」


汚れが無いか確認して「寒かったですよね、すみません」と撫でていると、私の隣で謙信様が表情を柔らかくしている。


幸村「まさかその人形、謙信様なのか?」

「え?うん、そうだよ。
 なんたって私の最愛で、最推しだもの。いつでも一緒に居たいじゃない」

幸村「へぇ……」


幸村の口角が『うっ』というように下がり、その隣で佐助君が『ついに謙信様が推しぬいにされたのか』と冷静に眼鏡を光らせている。


「そうそう推しぬいなの。
 やっぱり佐助君は話がわかる……わっわ?」

謙信「視界に入れるなと言っただろう?」

「でも……」

信玄「おいおい、男を視界に入れるなっていう意味か?
 それは無理な話だろうが。あまり天女を困らせるなよ」


信玄様が私の手にのっていた謙信様のぬいを、指先でちょんちょんと強めにつついた。


「あっ……!
 や、やめてください!謙信様がかわいそうじゃないですかっ!」

幸村「はっ?」

信玄「ん?」


ばっと手を避けた私に佐助君だけがからくりがわかったような顔をして、他の人達は首を傾げている。


「つまり…」

義元「なるほどね。人形だけどこれは謙信そのものなんだ…」


白魚のような手がするりと伸びてきて、ぬいの頭を撫でつけた。

大事なぬいを優しくされて、へへっとにやけてしまって、謙信様もこそばゆい顔をしている。


信玄「そういうことか。てことは……」

謙信「っ、信玄!!」


信玄様は謙信様の胸元から私の姿をしたぬいをかすめ取った。

反応できずにぬいを奪われた謙信様が呆然としている。


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