第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)
兼続「舞に、この匂いが好きかと聞かれましたので、好きだと答えていただけです」
兼続さんはさっき渡した容器を謙信様の前に差し出した。
兼続『好きだな』
『良かった。私もすごく好きなんです』
ここだけ聞いていたら誤解してもおかしくない。
怒りを向けられたわけがわかって、慌てて私も謝った。
「誤解させるような会話をしてごめんなさい、謙信様……」
謙信「……兼続、暇を持て余しているようなら仕事をやる。
ついてこい」
兼続「はい」
「そんな!兼続さんは十分忙しいのに…」
私の謝罪は無視され、フォローを入れようにも謙信様はさっさと歩いて行ってしまった。
「怒らせちゃった…」
廊下に1人取り残され、寂しい気持ちのまま自室へと戻った。