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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)


「さてっと♪謙信様は明日の昼に帰ってくるって言ってたし、部屋にこもるぞ~~」


磨き上げられた春日山城の廊下を滑るように歩いていると、前から兼続さんが歩いてきた。


「兼続さん、お疲れ様です」

兼続「随分長い買い物だったな。鼻の頭が赤くなっている…」

「いつ雪が降ってきてもおかしくないくらい寒かったので…」


恥ずかしいなと冷たい鼻をそっと押さえた。


兼続「佐助から話は聞いた。
 良い品は見つかったか?」

「良い品というか買い物途中で閃いたので、やっぱり作ることにしたんです!」


完成品を想像して心がうきうきする。
胸を膨らませていると兼続さんが口元を綻(ほころ)ばせた。


兼続「そういう不屈なところは好ましいな。
 舞が謙信様を好きだという気持ちには負ける」

「いーえ、兼続さんの謙信様愛には負けますよ」

兼続「俺は敬愛で舞は盲愛だろう」

「もうあい?」

兼続「他のことが目に入らないほど愛することだ」

「それ……私じゃなく謙信様に当てはまりません?」


兼続さんは目元を緩めるだけで返事はしなかった。


(ふふ、謙信様の溺愛っぷりは兼続さんも認めてるってことかな)


「ふふっ、兼続さんったら」


出会った頃の兼続さんは氷のように冷たい印象だったけど、今はこんな風にお話しできるようになって嬉しい。


「そうそう!贈り物を探している途中で珍しいものをみつけたので買ってきたんです」

兼続「何だ?」

「これなんですけど、薬草を売っているお店にあったんです。
眠気を感じた時に鼻の下やこめかみに塗るとスーっとするってやつです。目が覚めそうじゃないですか?」


受験勉強の時に使っていた眠気覚ましの商品と同じようなものだ。
つい懐かしくて買ってしまった。

懐に入れていたそれを1つ取り出し、兼続さんに差し出した。

眼前にやったので、兼続さんの目がややより目になっている。


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