第2章 姫がいなくなった(政宗&蘭丸くん)
政宗「お前のおかげだよ、蘭丸。
舞が俺のために先の世に戻ったって言うなら、俺だって、料理の腕を上げて待っていてやるよ。蘭丸は試食係な?じゃあ、俺は厨に行く。じゃあな」
政宗が手をひらひらと振り、大股で廊下を歩いていく。
蘭丸が見送る間に、歩きながら襷がけをして、料理をする気まんまんだ。
蘭丸「元気になって何よりだよ。舞様と『女子とーく』したのがこんな時に役に立つなんて……。早く戻ってきてよ、舞様。
政宗様だけじゃなく俺も……待ってるからね」
蘭丸は小姓部屋に入り仕事を続け、政宗は厨で魚をさばき始めた。
姫が返ってくるのを信じて、二人は静かに日常へと戻った。