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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)


――――

義元『ほら、この簪なんかどうかな。
 舞の髪色によく似合うよ』

『少し派手すぎませんか?』

義元『ううん、君にはこのくらい華やかなのが似合うよ。
 でなければ君の可愛らしさに簪が影を潜めてしまうから』

『義元さんってお上手ですね』

義元『俺はお世辞を言わないよ』

『え……//』


今日の俺の脳内はどうかしている。

勝手に想像して、またしても頭にきていた。

舞が行きそうな場所ならば見当がつくが、義元がすすめる店など予想もつかない。
あてもなく探し続けたが、案の定、半刻(1時間)たっても見つけられなかった。

義元の場合、織物はもちろんのこと芝居、絵、陶器など、幅広い芸術を愛するがゆえに店を絞り込めない。


謙信「舞…どこへ行った?」


義元は舞が作り出す作品をこよなく愛している。
今のところ好意の対象は作品だろうが、いつその目が作り手に向くかわからない。

それが今日かもしれないと思うと居ても立っても居られなかった。

無意識に女を魅了する義元は、信玄と同等危険な男だ。

いつしか探し歩く足は早まり、道行く民は『謙信様があんなに険しい顔をされて一体何事だ?』と騒めいている。

夕暮れが迫り、気温がぐっと下がり始めた。
日の傾き具合で舞ならば城に帰っている頃だと、城へもどることにした。

城へ向かう帰り道、北風が吹きあれる中を優美に歩く義元が居た。


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