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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第29章 ぬいと私~愛の告白は大声で~(謙信様:誕生祝SS2024)


――――

信玄『今日はいつも以上に可愛いな。
 どうだい、舞。
 謙信が居ないことだし、これから俺と逢瀬にいかないか?』

『信玄様、駄目です。
 私には謙信様が居るんですから』

信玄『少しくらい良いだろう?
 ほら、今日は寒いから肩を抱いていてやろう』

『信玄様あったかい……//』



謙信「ちっ」


茶屋に向かう間、脳内で繰り広げられる空想に腹が立った。

信玄のことだ、俺が居ないことを良いことに、ここぞとばかり舞を口説いているだろう。

冗談で口説いているように見えて、信玄が半ば本気なのを俺は知っている。

それとも……


幸村『今日は謙信様が居ないんだってな。
 だったらゆっくり茶でも飲めよ。
 この店のおすすめはこれとこれと……』

『そんなに食べられないよ、幸村』

幸村『こんなに寒いんだ、少し肉をつけた方がいいぞ』

『だかはって、ほっへをつはまなひでくれまふ?』
(だからって、ほっぺを掴まないでくれます?)


……などと、気安いやりとりをしているかもしれない。

俺の前では行儀良い舞だが、幸村の前では気安く話し、砕けた態度だ。

幸村が少々……いや、甚だ羨ましい。
口が裂けても言わないが。


『もう、謙信ったらやめてよ……バカ//』


と言われてみたい。


(いや、今はそんなことを想像している場合ではない。
 俺は何かを考えている?)


想像と妄想でイラついているうちに目当ての茶屋に到着した。

北風が強く吹いているせいで、暖を取ろうと茶屋は混みあっていた。
騒めく店内を見回すと信玄がこちらに背を向けて座っている。


(あそこか。信玄の図体で舞が見えんな)


近くまで行けば、気づいた幸村が『げ…』と顔をしかめた。


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