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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


~おまけ~


波乱な夜を乗り越えた、次の日……




私はわくわくした気持ちで御殿を出た。


「早く行きましょう」

光秀「そう急ぐな」

「いいえ、遅くなってしまったんですから、早く行かないと城下のお店が閉まってしまいます」

光秀「何か見たいものでもあるのか?」

「そういうわけではありませんが、店じまいした後の城下を歩いてもつまらないじゃありませんか」

光秀「まあ、そうだろうな」


光秀様と手をつないだ右手がくすぐったい。

好きな人とするお出かけがこんなにドキドキするとは知らなかった。
手をつなぎあっていれば、向かう先が城下でなく寂しい野原だったとしてもいい。

俯くとこれまた私には勿体ない素敵な着物がうつる。

朝起きたら、まるで昨日と一昨日のことは忘れろと言われているみたいにそれまでの着物はどこかへいってしまい、代わりにこの着物が用意されていた。

光秀様自ら着付けをしてくださって、裾の長さを丁寧に調整してくれて、帯も何度かやり直して綺麗に結んでくれた。

着付けの合間に何度もした口づけを思い出して、この身が蕩けそうになる。


「光秀様は何か見たいものはありますか?」

光秀「舞がよく行く店はあるか?」

「私が行く店といったら女性向けのお店ばかりで光秀様は楽しくないと思います」

光秀「そこでいい。舞が何を見て楽しむのか知りたい」

「そうですか?じゃあ……」


光秀様がずっと優しいから、なんだかムズムズして調子が狂う。
ちらりと斜め上を見れば、あまりの美しさに鳥肌が立つ。


(な、何でこの人の恋仲になれたんだろう)


視線を感じて光秀様がなんだと言うふうに視線を流してくる。

好きだと自覚してからは仕事に協力していた時のように冷静でいられず、何気ない仕草で失神しそうになる。

1人でとろけているうちに、なにやら周囲がざわついているのに気が付いた。



『お、おい、あれ、茶屋の舞じゃないか?なんであの男と…』

『まさか付き合っているのか?嘘だろ……』

『光秀様についに恋仲ができてしまったの⁉
 ああ、私もう生きていけない…』

『光秀様がぁ~~~』



「え、えーと…………?」


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