第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)
この人の手の上でまた踊らされる。
逃げられない。否、逃げてはいけないのだろう。
身体をつなげただけでは駄目かもしれないと光秀様の心配が当たってしまった。
(光秀様の隣にいるために、私は信長様に…)
「私を信用してくださるから尊いお命をお預けになった。
光秀様を大事に思っているから命を懸けてくださった。
そう…………思うことにします」
到底こんな甘ったるい考えではないだろうけど、想像もつかない先見を立てる方にそう言うしかなかった。
大きな手が優しく私に触れてくる。
「ん……もう一つ無礼を承知で申し上げるなら…、私を抱きたいからと立派な理由を作ったのではないと信じております」
信長様の眉間に皺が寄ったのが見えた。
信長「無礼と知ってよくも言えたものだな」
「信長様は頭の良い方ですから。
どこに本当の理由を隠しているかわかりませんもの」
信長「ふっ、光秀に似合いの女狐だ」
何度も手の平で踊らされるのは悔しい。
そうですよね、光秀様……。
出かける前に私を抱いたのは、もしかしたらこうなることを予想していたから?
強引に指を入れられても痛くないように、
手をつけられても、あなたの白濁が信長様のものを阻むように、
傍に居られない私に、そうやってあなたは『備えた』のかもしれない
「んっ…!」
こめかみに流れた涙を、太い指がすくい取った。
信長「まだ可愛げのある小狐だ。
優しく扱ってやる」
私は光秀様の隣に居たい。
弱点にもなりたくない。
だから信長様の命を預かって後戻りできなくする。
そうすれば手強いあなたに立ち向かうしかなくなって、私は強くなる…。