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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


「ん……はぁ、はぁっ、ぁ、信長様、なんで……」


やっと唇が離れた頃には身体から力が抜けていた。

身体を検められるとそっちばかり気にしていたから、こんなふうに突然唇を奪われるとは思っていなかった。

しかも光秀様以上に濃厚で、自分が女だと自覚させられるような、嫌だったはずなのに気持ち良くさせられる……そんな大人の口づけだった。

どちらのものともわからない唾液が、私の口の端から顎へと零れていた。


信長「あやつの女になるならば他の男を知っておけ」

「え?」


太い指が伝う唾液をぬぐい、私の唇にそれを塗り付けた。

ぬるっとした感覚はいやらしいけれど、塗り付けている信長様の表情は淡々としていた。


信長「安土の白狐に可愛がっている女が居ると知れ渡れば狙われる。
 あやつの弱点になりたくなければ、多少のことは自分で切り抜け、動じない女になれ」

「あ………ん!ふっ……」


また唇を吸われた。強い酒を飲んで、呼吸もままならないせいで頭がくらくらする。

抜かりない光秀様を攻撃するのが難しければ、茶屋で働いている恋仲を襲って人質にすればいい。

人質ならばまだいいのかもしれない。
恨みや憂さを晴らすために、この身を食い荒らされる可能性だってある。

信長様に言われてゾッとした。

切り抜けられるだろうか。
切り抜けられなかったとして、動じない女に…私はなれるのか…。

今でさえ権力を恐れ、舌を噛むという選択肢をとれずにいるのに。


「ん、んっ」


不安に押しつぶされそうになって涙が滲んだ。

涙なんて駄目だ。動じないというなら感情を露わにしちゃいけない。


(私は光秀様の隣に居られる?)


こんなに弱くては彼の足手まといになるかもしれない。


信長「ただの男ならば良いが、あやつの隣はこの日ノ本で1、2を争う危険な場所だ。
 理解して恋仲になったかと思えばそうではない、か…」

「…………」


悔しいけど、両想いだったのが嬉しくてそこまで考えが至っていなかった。


信長「今からでも遅くない。俺のものになるか?」

「え……?」


裾の乱れているところから、信長様の手がするりと入ってきて太ももを撫ぜる。
火照っている身体が素肌の刺激にピクンと反応した。


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