第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)
光秀「その目は…よくないな」
「んんっ!」
掛け布団をはぎ取られた瞬間に唇を奪われた。
あの夜何度せがんでも『好いた男にくれてやれ』と決して唇にはくれなかったのに、生まれて初めての口づけはあっさりと奪われた。
「んん!ふっ……ん…」
息苦しさにひらいた口に舌がぬるりと侵入してきて、私の舌を追いかけてくる。
光秀「恋仲の舌を逃げてくれるな。俺の舌に絡めろ」
「んっ」
逃げたというよりも急に舌を差し込まれて驚いただけだ。おそるおそる舌を差し出したのを、すかさず熱い舌が攫いにきた。
「んぁ…ん…」
光秀様に愛されるなんて夢じゃないだろうか。
今夜はあの夜のような化かし合いは必要ない。
気持ちを通わせ、お互いが求めるままに身体を重ねる。恋仲なら当たり前にすることを今夜私達は初めてする。
光秀「あの夜しなかったことを可愛いお前にしよう」
口づけの合間に落とされた甘い囁きに頭がぼうっとなる。
しなかったことなんて口づけ以外にあっただろうか。
ぼんやりと考えていると、光秀様は小さく笑い、しなやかな指先で頬をくすぐってきた。
「ふ…や、だ」
くすぐったくて笑った私に意地悪な唇がまた落ちてきて、
最初は口づけだけで精一杯。
でもそのうち自然に舌先は擦れあい、執拗に絡んで離れなくなった。
空腹を訴えていたのは嘘ではないらしく、光秀様は口づけを施しながらもお互いの寝間着を脱がしにかかり、あっという間に一糸まとわぬ姿にさせられた。
その間も唇は一瞬の別離も嫌がるように繋がり合ったままで、二度目の口づけは長く深かった。
(お腹がもう熱い…)
濃厚な口づけでお腹は疼き、あの夜のように思い切り爆ぜてしまいたいと光秀様を求めていた。
種子島の使い手だというこの人は、鋼鉄の引き金を引く指で柔らかい私の中心をグチャグチャに解してくる。
優しい指使いで肉壁を撫で、挿れる時はぴたりとくっついていた2本の指が、ナカでゆっくりと広げられた。