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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


光秀「店が軌道に乗り、恋仲を作ってさっさと夫婦になれば良いと思っていたが、一向にその気配を見せずに働いてばかりいたな。
 男も居ないのに女をあげていくのは年頃のせいもあるだろうが、誰かが心に居る可能性があった。そして生憎俺は、その誰かに心当たりがあった」

「……あ……それは……」

光秀「俺に抱かれた後は恋仲を作るんじゃなかったのか。何故そうしなかった?」

「そ、れは、ごめんなさ、い」


相思相愛と判明して甘い雰囲気になるかと思えば、素っ気ない口調で問い詰められる事態になっている。

シュンと身を縮めていると優しく頭を撫でられた。


光秀「そうやってお前がいつまでも一人で居るから、俺のような悪い男の女にしてもかまわないのでは…、そう考えていたところだった」

「ん…」


まるで飼い猫を宥めるように、大きな手が頬を何度も撫でては頭に乗せられて、とても気持ちいい。


光秀「ところが信長様の方が先に動き出した。
 それも俺が居ない時を狙いすましたようにな。
 対応に苦慮していたが、信長様の心遣いだったとは俺も盲目になっていたようだ」


光秀様は腕を崩し、頭を直接布団につけて苦笑している。

くつろいでいるのか光秀様は妖しさが薄らいで表情が柔らかい。
信長様もそうだったけれど、男の人というのは仕事じゃない時は全然違った雰囲気を出すようだ。


「光秀様が私を気に入ってくださっていたなんて全然気づきませんでした」


布団の感触を楽しんでいた光秀様が、意地悪い顔で片目を開けた。


(う…、なんて悪そうな目つき)


思わずそう思ってしまうくらい光秀様の目つきは意地悪く光っていた。


光秀「舞とて俺に心を隠したろう?
 あれと似たようなものだ。俺も相手に思惑を読まれるのは好きじゃない」

「それだけが理由ですか?
 …まあ相手に気取られるとがっかりした気分にはなりますよね」


光秀様が小さく吹き出した。


光秀「お前との会話は尽きないな。
 どこかの誰かと違って、ずっと話していられそうだ」

「え……あ、ふふっ、それはどなたのことを言っているんでしょう?」


脳裏に秀吉様が浮かび上がった。一緒に居るところを見たことがないけれどまったく合わなさそうな二人だ。


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