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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


「途中で眠気に襲われて、そうしたら信長様に起きろとくすぐられたんです。
 光秀様に報告した方は何を誤解なさったのでしょうね」


結局光秀様は私の質問は無視して続けたので、さらなる棘を含ませて返してやった。


光秀「夕方から滞在して酒だけで済んだのか?」


念を押すように聞かれたのでこくりと頷いた。


「お酒の飲み比べをしておりました」

光秀「そうか」


言葉も表情も乏しい。一体何を考えているんだろう。

光秀様の表情から手がかりを得ようとしたけれど、あまりの男ぶりの良さにただただため息が出るだけだった。


(もしかして…)


妾に相応しいか、もうすでに関係を持って胤(たね)を授かったのか、信長様の左腕ともなれば見極めて確認するのも仕事のうちなのだろうか。


(そっか、なんだ…また仕事か……)


主君の妾候補ともなれば会って確かめるしかなくて、そんな生ぬるい仕事が嫌でこんな態度なのか…。

どうやら光秀様との関係は、仕事が絡まないと繋がらないようだ。

仕事が終われば綱渡りの綱をバッサリ断ち切るように縁を切られる。そんな浅い関係にしかなれない。


「確認が済んだのなら、申し訳ないのですが寝ても良いでしょうか。
 明日の夕方、また信長様に登城の命をいただいているんです。早く寝ないと……」


鋭利な琥珀色の目が不快そうに細められ、迫力を増した男ぶりにたじろいだ。


「な、なんですか?」


この人の美貌は憎らしいくらいどんな表情でも映える。心の揺れを気づかれないようにするのが非常に難しい相手だ。


光秀「明日も登城しろと言われたのか?」

「ええ。『今度こそ勝負をつけるから明け方まで帰れないと思え』とおっしゃっていました」


信長様の言葉を伝えると光秀様は大きなため息を吐いた。


光秀「酔ったお前は何も不審に思わず了承してきた、というところだろうな」

「少しおかしいと思いましたけど誘われたんですから仕方ないじゃないですか」


布団に散らばっていた私の髪がひと房とられ、咎めるように軽く引っ張られた。


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