第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)
姫「私は身分なんて気にしなくても良いと思うし、相手の頭がいいとか悪いとか気にするよりも、恋仲になる条件は一緒にいて和むかどうかだよ」
自信満々に言う姫様が初々しくて眩しい。何かと気にしてしまう私は姫様のようにはなれないだろう。
「三成様は一緒に居て和みますか?」
姫「凄く癒されるよ、って私の話じゃなくて舞さんの話でしょ!」
「ふふ、仲が良くて羨ましい限りです。
私もいつか、そういう人と巡り合いたいです」
姫「もしかしたらもう出会っているかもしれないよ」
「さて、それはわかりません」
姫「もう、その話の持っていき方が光秀さんそっくり」
「……ふふ、それは光栄なことです」
光秀様にそっくりと言われて嬉しくないわけがない。
姫「本当にそう思ってる~?」
「ええ、本当です」
姫様が護衛を引きつれて帰っていくのを見送った数刻後、信長様からの使者がやってきた。
いつもならば口頭での呼び出しだが今回に限っては文をくださった。
平仮名ならば読めると言ったのを覚えていてくれたのか、文の内容は全て平仮名書きだった。
「え………」
文には今夜登城するように。
帰りは明朝になるだろうと書かれていた。