第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)
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「はぁ……まだ痛い……」
好きに抱いて欲しいとお願いした昼間の情事から2日たった。
激しくされた名残は相変わらず残っている。
胸の先端も、謎の筋肉痛?も残ったままだ。
お腹をぐちゃぐちゃにされたような鈍痛と、ひりつく女の口。
それに腰が痛くなるなんて初めての経験だ。
腰痛の持病を持っている父上の気持ちが、今ならわかる。
よろよろと廊下を歩いていると、後ろから声をかけられた。
謙信「静華」
「はい」
背筋をぴしっと伸ばし急いで振り返ると、謙信様と兼続様、佐助殿が立っていた。
佐助「静華さんが部屋の外に出ているのを久しぶりに見た気がするよ。
謙信様に酷いことをされているんじゃないかって幸村と心配していたんだ」
謙信「何故俺が静華に酷いことをしなくてはいけないのだ。
いらぬことを言うと斬りつけるぞ」
「そうですよ。謙信様はとっても大事にしてくださっているので、心配しないでください」
時々暴走して暴れるけど、とコッソリ胸の内で呟く。
佐助「惚気るくらいなら本当に心配はいらなさそうだね。良かった」
「ふふ」
(それにしても謙信様のお傍に行きたい)
少し距離を詰めようと一歩踏み出したところで、着物の裾を踏んでしまった。
磨き上げられた廊下は滑り、体勢を崩した私を受け止めてくれたのは……
逆さまに映った兼続様の思慮深いお顔に、フワリと藤の花の香りがして思考が止まった。
(えっ!?兼続様って、こんな良い香りがするの!?)
どきーん!と心臓が跳ねた。
兼続「静華様、怪我はありませんか」
「わわわ!!!ありがとうございます、兼続様っ!」
(お、おおおおお思っていたより兼続様、がっちりされているわっ!どうしよう、すごく良い匂いだった!)
逃げるように謙信様の傍に立ったけれど、心臓がどっきんどっきん、うるさい。
兼続「静華様は謙信様の奥方なのですから、私のことは兼続とお呼びくださいと何度も言いましたが……」
「尚文の頃のクセが抜けなくて…っ」