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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


九兵衛「私が留守にしている間、他の男に靡いたら承知しませんからね?
 その時は奪い返しに行きます」


一瞬、整った顔に物騒な狂気が浮かび上がり、舞はそんな必要はないと微笑んだ。


「そんな怖い顔をしなくても大丈夫です。どんな方が来ようと靡きません」

九兵衛「へえ…。どんな方が来てもですか?」


意味ありげな視線を投げられて舞は自信満々で頷いた。


「ええ、もちろんって、あら……?」


舞の視線の先に立派な一行が現れ、そのうちの一人が『店はまだやっているか』と聞いてきた。


「はーい!ただいま参ります!
 九兵衛様、ごめんなさい。お客様のようです。
 ゆっくりしていってくださいね」

九兵衛「いえ、私はもう行きます。お代はここに置いていきます」

「あ!おつりっ!」


置かれた金額の多さに舞が声を掛けると、九兵衛はいらないと首を振って去って行った。

遠方から帰ってきたというが、疲れを見せずにスタスタと歩いていく。


「もう、九兵衛様ったらいつも多く置いていくんだから」


後で返そうとしても受け取ってもらえないのはわかっているので、舞はありがたく受けとった。

こんなところも主従は似てくるものだろうかと考えながら、武家と思われる一団に歩み寄った。

全部で20名ほどの人数で、あっという間にお店の椅子は埋まってしまった。


家臣「茶と菓子を人数分頼む」

「かしこまりました」


大量注文に対応するため、店に残っていた人間が総出しての対応になった。

売り子が店にある分の急須を全部出し、それぞれに茶葉を入れていると、店主が慌てた様子で外に出て行った。


「まあ、店主が自ら大福を運ぶなんて…」


舞が驚いていると、隣に居た売り子が興奮した様子で囁いた。


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