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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


苦しみを和らげるには身体を慰めるしかない。


光秀「九兵衛、城に仕事を残してきた。お前が処理できる仕事はやっておけ」

九兵衛「承知いたしました」


珍しく案ずる視線を向けられた。
九兵衛が俺を案じるのは命の危険が迫った時だけ。ならば今案じているのは舞だ。


(俺が手をつけると思っているのか?)


先程のやり取りをみれば、初対面だった二人は随分打ち解けていた。


光秀「指で慰めるが何か文句でもあるのか」

九兵衛「いいえ。どうか舞さんを楽にしてあげてください」

光秀「お前がやるか?」

九兵衛「……彼女が望まないでしょう」


九兵衛は足早く去っていき、部屋には舞の切ない呼吸だけが響いた。


「ぁ……あ、みつ、なり様……」


瞑った目から涙をこぼし時折好いた男の名を呼んでいる。


(やはりそうだったか…)


舞を協力者に引きこむ前に、どんな人物なのか見に行ったことがあった。

三成と姫と楽しそうに会話をする一方、片恋をしている女の顔が垣間見えていた。


「はぁ、ぁ、助けて、三成様、ぁ」


昼夜関係なく使役されるだけの生活を送っていた人間が、三成の素朴な優しさと物腰の良さに惹かれたのは自然なことだ。


「う、ぅ、一夜かぎりの、情けを…」


男の経験もない女が、ボロボロと涙をこぼして懇願する姿は憐れだった。


光秀「しっかりしろ」

「みつ、な、り様……」


いつも勝気な黒目は、理性を焼かれて焦点が合っていなかった。


「三成様、お願いです。私を抱いてください」


俺の手を握る手は異常に熱く、汗でじっとりと濡れている。


(俺を三成と見間違えるほどに理性を失ったか)


あの薬に幻覚作用はなかったはずだが、なにぶん、舞が飲んだ水にどれくらいの薬が混入していたか定かではない。

過剰摂取の副作用で幻覚作用が出てもおかしくないだろう。


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