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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


舞にあてがった部屋には明かりが灯っていたが、九兵衛の配慮か人払いが為されていた。

廊下にまで悩ましげな声と吐息が漏れ聞こえてくる。


(聞いていた通り、容態は悪そうだな)


襖を開けると、布団の上で荒く息をする舞が居た。


「はぁ…はぁっ……ぁ」


玉のような汗が至る所に浮き上がり、辛そうな表情で横たわっている。


光秀「どういうことだ、九兵衛」

九兵衛「どうやら店で飲んだ水に薬が混入していたようです」

光秀「水?いつ飲んだかわかるか。
 踏み込んだ際は症状が出ていなかったようだが」

九兵衛「二階から降りて、私が仲間と情報共有をしている間に飲んだそうです。
 すぐに人を向かわせたところ、店内の片隅にやかんと湯呑が置かれておりました。
 普段から勤め人はそこで水分の補給をするそうですが、見落として押収しなかったものと思われます」


金蔓が来る前に舞を発情させておけば、同衾(どうきん)するのは確実だ。

やかんに薬を仕込んで大金が舞い込んでくるなら、あの店主なら嬉々としてやっただろう。


光秀「やかんは押収したか?」

九兵衛「はい。やかんの底には薬が溶け残っていたそうで濃度は相当のようです」

光秀「毒だったら即死するところだ。
 ……お前の落ち度がいかほどかわかっているか」

九兵衛「申し訳ありません」


これ以上言わずとも、苦しむ舞を目の当たりにして充分悔いているだろう。

荒く息をする舞の傍に座って、状態を見た。


「ぅ、ん………光秀様?」


気配を察して舞はうっすらと目を開けた。

潤む目は熱を孕んでいるが、まだ自我を保っていた。


(ふむ…根性はあるようだ)


成人の男を一瞬にして獣に変える薬だ。
1回量よりも多く服用して自我を保っていられるとは余程の精神力だ。


光秀「遅くなったな。今夜の礼をしに来たが、辛そうだな?」

「それは嘘。あなたは今夜来る予定じゃなかったはず…。
 私がこんなだから九兵衛様に呼び出されたのでしょう?」


口を動かした拍子に次々と汗が流れ落ちていく。

欲情した女の香りを漂わせながらも、濡れた瞳が俺の嘘を見抜いた。


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