第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)
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(光秀目線)
茶屋から早々と引き揚げて事後処理を行っている最中、御殿から使いがやってきた。
九兵衛の文には走り書きの文字が並び、『舞さんの体調が急変しました。症状は…』
光秀「媚薬の中毒症状だと…?」
今夜が過ぎれば、あの小娘なら贈った着物を売りつけるなり上手くやっていくだろうと思っていたのだが、店主の魔手は未だ舞を掴んで離していないようだ。
金を積んでも牢から出られないとわかった店主は、舞も事件に加担していたと虚言を吐いている。
本格的な取り調べで身体を痛めつけられれば虚言など吐けなくなるだろう。
光秀「待っていろ。あの男の呪縛を断ち切ってやる」
事後処理を後回しに、早急に舞のもとに向かった。