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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)


――――

次から次へと仕事を振り分けられて数か月後。いよいよ取り締まりに動く日がやってきた。


光秀「今夜動く。
 俺と役人が踏み込むのは子の刻になってすぐ(23時)だ。
 舞はいつも通り振る舞い、騒ぎが起きたら巻き込まれないように押し入れにでも入っていろ」


昼の仕事を終え、指定された食事処で最終打ち合わせをしている最中、私は光秀様の説明を聞きながら食事をしていた。

物騒な話をしながら食事をするのも、すっかり慣れてしまった。

光秀さんにガリガリだ、凹凸のない身体と言われるのが悔しくて、意識的にご飯をたくさん食べるようにしたところ、店主に『最近肉付きが良くなってきたな』と気持ち悪い目で見られるようになったのは誤算だった。


「わかりました。光秀様が見つけてくれるまで隠れていますね」

光秀「少々怖い思いをするかもしれんが必ず迎えに行く。
 俺を信じろというのは無理かもしれないが心にとめておけ」


無表情で念を押す光秀様は、胡散臭い笑みをしまい込んでいる。

気にかけてくれるのかと思いきや、かえって何か企んでいるのではと怪しんでしまうのはここ数か月の間に散々遊ばれたからだろう。

光秀様に人並みの良心など期待していない。


「はい。全然信じておりませんが待っております」

光秀「つれない女だ」


肩をすくめた相手に私はフンと鼻で笑った。


「さんざん人のことを苛めておいて、つれないも何もないでしょう?
 報告がある日は『これからネチネチ苛められるのか』と気が重たくて仕方なかったです」

光秀「その割と優秀な仕事ぶりだったな」

「協力すると言った責任がありますから中途半端なマネはしません」

光秀「良い心掛けだが今夜は頑張りすぎるな、いいな?」


(光秀様に助けを乞うなんて醜態は絶対にしないんだから)


光秀様はこの道の玄人だ。そんな人と手を組んだなら、こっちだって素人丸出しでいるわけにはいかない。

固い決心を胸に返事をすると、光秀様は表情を緩めて頭を撫でてきた。

人に頭を撫でられるなんて両親が亡くなってからは終ぞないことで、頭をヒョイと動かして避けた。


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