第28章 狐の化かし合い(光秀さん)(R-18)
「ほんっっと、町の女性達に光秀様の性格の悪さを言いふらしたいです」
睨みつけて怒っても、光秀様は気にしていない。
光秀「俺の性格の悪さはすでに知れ渡っている。今更だろう」
「それもそうですね。さてこの間のお話ですけど………」
こんな感じで毎回気に障ることを言われ、怒りながらの報告だった。それを光秀様は涼しげに受け流し、着々と計画は進んでいった。
客の特徴を覚書きしたものを光秀様に渡す仕事をしていると、今まで無関心だった客の顔や、店に通う頻度を把握できるようになった。
初めての客は数か月後、2回目以降はグンと来店頻度があがって1か月に一度、常連になると週に1度、酷いと3日に1度となった。
私は薬の受け渡しの場から見えない廊下に座っていることが多く、客の顔を見ようと首を伸ばしてばかりいたので首筋が痛くなった。
だがそのおかげで掴めた情報は多く、週に1度、3日に1度と来店する客に対して、薬の額は軒並み高額になっていることが分かった。