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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)


謙信「笑うな」

「いいえ、今笑わないで、いつ笑うんですか、ふふっ」

謙信「………俺に心配させておいて憎たらしいやつだ」

「なんとでも言ってください」


どうせ現代に帰るんだ。

どんな言葉であろうと謙信様がくれた言葉なら嬉しい。


「あの夜のことが原因かはわかりませんが、月のものが遅れたのは事実です。
 本来なら半月前にくる予定だったので、正直昨日までは焦っていました」

謙信「そうであろうな……。女の周期はひと月足らずだと聞いた。
 女中の話から換算しても、あの夜からひと月経ってもきていないということは不自然だった。
 だからてっきり俺は…」


綺麗な横顔に哀愁が漂ったのを見て、また吹き出しそうになった。


「私が妊娠したと思ったんですね?でもちゃんと月のものは来たので安心してください。
 これであの夜のことは、完全に終わりです。
 もう私は実家に帰りますし、春日山に戻ることは無いでしょう。何も心配せず生きてください」

謙信「何故……そうまでして帰りたがる?
 俺の城に生きづらさでもあるのか?」


謙信様は一度片腕をあげ、私の背から肩に回した。

大きな手のひらが私の二の腕をしっかりと掴んで引き寄せる。

あの夜覚えた謙信様の男性的な香りが鼻を掠め、胸が切なく痛んだ。


「っ、何も…。ただ、黙って来てしまったので、家族は一生懸命探していると思うんです。
 ずっとそれが気がかりでしたし、居候させてくれた謙信様のお役にも立てましたので、もう帰ろうかなと思ったんです」

謙信「文を書いて無事を知らせるだけでは足りないのか?
 佐助と舞の国は遠いと言っていただろう。お前の足で行くよりも飛脚に任せた方が早いのではないか?」


謙信様の提案は、私の耳には『帰るな』と言っているように聞こえた。


「飛脚に任せられない辺境の地にあるので、直に行かなくてはいけないんです」

謙信「……ならば俺も行く」

「えぇ!?何言ってるんですか、凄く遠いんですよ?」


驚いて声をあげると、謙信様の顔にさっと怒りが走った。


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