第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)
「あの、お腹はたいしたことないので気にしないでください」
音がしそうな勢いで振り向かれ、うっ、と口を閉ざした。
謙信「何がたいしたことない、だ!無理して流れたらどうするっ!
もうすぐ駕籠が来るはずだ。それまでじっとしていろ」
(流れる…?え、なんで謙信様が知ってるの?)
戦国時代に来てから、ある周期で『漏れ』に悩んでいたのは事実だ。
でもその周期が今だということと、それにまつわる悩みを、何故謙信様が知っているのかが問題だ。
「………謙信様…?なんで私の『女性の周期』を知ってるんですか?」
端正な顔にくっきりと疑問が浮かんだ。
謙信「女性の周期?なんのことだ?」
真面目な顔で言葉を繰り返され、こっちがなんのことだと聞き返したいくらいだった。
「え?だから毎月くるアレ…のことでしょう?」
(ムリして動けば血が漏れて流れるって意味じゃないの?)
何か大きなすれ違いを感じていると、謙信様は怪訝な顔で私の腹部に目をやった。
謙信「……腹に子が居るのだろう?」
「えっ!?」
大真面目に言われて、私はポカンと口を開けてしまった。
「えー……と?お腹に子供なんて居ませんけど?
どこからそんな話がでてきたんですか?」
謙信様が衝撃を受けたようで、目を大きく見開いている。