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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)


謙信「誰が城を出て良いと言った?
 俺が出さんと言ったら、出さん。城に戻るぞ」

「城に戻ってもやることはありません。実家に帰らせていただきます!」

謙信「っ………この身体でどこに行くつもりだっ!」


静かな山あいに謙信様の声が響き渡り、驚いた小鳥たちが羽ばたいていった。


「この身体って……え?
 足を怪我したくらいで大げさですよ」


まるで重病人のような言い方に首を傾げた。


謙信「足の怪我の前に、お前は……」

「足の怪我の前になんですか?」


思い詰めた表情に、謙信様が何か大きな勘違いをしている気がした。


「足の怪我以外は健康ですけど、何か問題でも?」


安心させるつもりで言ったのに、謙信様は信じられないとでも言うように顔をしかめた。


(うぅ、軽蔑視線が痛い……私、何かしたかな?)


お互い『はっ?』みたいな顔で見つめ合う。


謙信「お前はっ……、自分の身体のこともわからないのか!」

「身体のことって…なんのことですか?
 少しお腹が痛いだけで元気ですけど?」


一方的に叱りつけられて訳が分からない。
口を尖らせて反論したけれど、倍になって返ってくる。


謙信「腹が痛いだと!?こんな所まで歩くからだ!
 大丈夫か、しっかりしろ…」


私の返答にうるさいくらい反応して、謙信様はオロオロし始めた。

お腹をさすろうとしてきたので、流石に遠慮してもらった。


「ちょっとどうしたんですか、謙信様。
 少し落ち着きましょう、隣に座ってください」


切り株の椅子を半分空けて座ってもらうと、謙信様は髪に手を突っ込んで落ち込んでいる。


(……超クールで、カリスマ感バシバシの謙信様はどこにいったんだろう…)


平時の姿はなく、私がドン引きするくらい怒り狂い、慌て、大混乱している。

はっきり言うと面白かったりもするのだけれど、放っておくわけにもいかない。


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