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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)



(なんでこんなに怒ってんのよ…。
 しかも三つ者である彼女を、謙信様が私につけた?わけわかんないよ)


近くの切り株に下ろされ、草履やら足袋が無造作にその辺に放られた。


「ああっ、私の足袋と草履が…」

謙信「黙れ」

「……」


鋭く一喝されて口を噤んだ。


(う、謙信様が、恐すぎる…)


応急処置が施された足が露わになり、当て布はじっとりと血で汚れている。

謙信様は当て布をそうっと剥がし、傷口を直接見て青ざめた。


(戦場で傷なんて見慣れていると思うけど…どうしたんだろう)


謙信「手当を……」


そう言ってくれた声や、手ぬぐいを取り出した手が震えている。


「謙信様………?顔色が悪いですけど大丈夫ですか?」


裂いた手拭を持つ手が、目的を忘れたようにだらりと下がった。


謙信「何故だ……、何故大人しくしていなかった?
 城の暮らしに何か不満があったのかっ?
 馬を手配する時間も惜しんで歩き続けるほど、城から…俺から離れたかったのかっ!?」


問う声はだんだん大きさを増して、最後には慟哭の叫びとなっていた。


「落ち着いてください、謙信様。そんなつもりはなかったです!
 お城には仲良くなった人達が沢山居ましたし、ご飯も美味しくて、布団もふかふかでなんの不満もありませんでした。
 ただ……ずっとお世話になりっぱなしなのが心苦しくて、帰ろうかなと思っただけなんです。
 別にお城の暮らしに不便があったとか、謙信様から離れたいとか、そんな風に思ったわけではないんです」

謙信「その………でか?」


風がざわざわと草木を揺らし、謙信様の言葉を聞き逃してしまった。

褪せた金髪が寂しそうに風に揺れて、謙信様の顔に儚い影を作っている。


「すみません、もう一度…あっ…」


少し前のめりになろうとした拍子に眩暈を感じて地面に手をついた。

謙信様は汚れるのもかまわずに私の手を取り、蒼白な顔で背中を支えてくれた。


謙信「大丈夫か?後だ……話は後で聞く」

「後って…私は城には帰らず実家に帰るって言ってるじゃないですか」


聞き分けのない子供でもあるまいし、実家に帰るという意見を無いもののように扱われて腹が立った。


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