第1章 日ノ本一の…(上杉謙信)(R-18)
(今夜から……ってことは、今は……?)
お昼にもなっていない今は、どう広く捉えようと『今夜』ではない。
嫌な予感がして謙信様を見ると…
謙信「当分お前を抱けぬのだ。今は抱くぞ…?」
「うぅ……謙信様って……優しいのか酷いのかわかりません」
優しいってわかってるけど文句を言いたくなる。
謙信様は眉をさげた。
謙信「お前が愛らしいのが悪い。抱いても抱いても、もっと愛したくて堪らない。初夜が終わり次第休ませようと考えていたが駄目だった…」
「そのように思ってくださっていたのですか?嬉しいです。
てっきり何度抱いても物足りず、満たされないから毎日求められているのかと勘違いしておりました」
未熟な身体を呆れるどころか『もっと愛したい』とまで言ってくれた。
女としてこんなに愛を向けられて嬉しくないはずがない。
謙信「自分の身体をそう卑下にするな。ひと時も離れたくないと思う程に…静華を想っている」
フワリと笑う謙信様は幸せそうだ。
「謙信様、傷が癒えたら……いっぱい愛してください。
今まで私を気遣って優しく抱いてくれましたが、その……謙信様が気持ち良いように…いっぱい……」
二色の瞳に熱が宿り、私の顎は謙信様に捕らえられた。
謙信「俺が気持ち良いように…続きはなんだ?はっきり言わぬとわからないぞ?」
「その……」
羞恥で頬が熱くなる。
(で、でもちゃんと伝えたいっ)
「私のことばかり気にせず…思いっきり動いてください!謙信様にも気持ち良くなってほしいです!胸ももっと遠慮なく触れてほしいです」
はしたないことを口走った口を塞ぐも、謙信様の手で避けられてしまった。
真っ赤になった顔を、おかしそうに…でも熱っぽく見つめてくる。
二色の瞳はいつもより色を濃くし、白い頬が僅かに赤みを持っている。
謙信「よくも煽ってくれたな……?」
低められた声は感情をねじ伏せても、まだ溢れて熱っぽい。