第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)
「皆を和ませているというなら春日山のウサギ達といっしょですね。
今夜は謙信様を和ませられたらと思います……帯を緩めますね」
謙信様は黙ったままで、今度は難なく帯を解くことができた。
帯を引き抜くシュルシュルという音が、やけに大きく聞こえて平常心を失いそうだ。
(謙信様がこんな状態なんだから、私がしっかりしないと)
なんてことない顔をして『こと』にあたらなくては、謙信様に気を使わせてしまう気がして、なるべくなら心の動揺を伝えたくなかった。
「身体が辛いでしょうから寝ていてください」
(あまりジッと見られるのも恥ずかしいし…)
そんな心を見透かすように、謙信様は小さく笑った。
謙信「恥じらう姿も良いものだが、言う通りにしよう」
大人しく寝てくれたのは、きっと身体に力が入らないからだろう。
手を引かれた時以外は、謙信様の力は弱々しかった。
佐助君いわく謙信様は薬に耐性があるし、とにかく体力気力は猛獣並みだそうだ。
そんな方が倒れたとなると、摂取した薬の量は規定量を超えていると考えて良い。
私を陥れるために無差別にお酒がふるまわれ、謙信様や兼続さん以外にもこうして苦しんでいる人が居るかと思うと胸が痛かった。
寝間着の下に身に着けていた襦袢の紐をほどき、いよいよ謙信様に覆いかぶさった。
(緊張する……)
「触れますね。嫌だったら言ってください」
謙信「…ぅ」
コクンと頷いた謙信様は従順そのもので…
目を細めているけど、私の動向をしっかりと見ている。
熱視線に耐え切れず視線をずらすと、謙信様はからかいを含んだ息を漏らした。
「では……失礼致します」
首筋に舌を這わせながら襦袢と寝間着を一緒にどけて、肌を露わにしていく。
徐々に姿を見せる肉体は鍛錬の賜物で、力強い美しさがあった。
謙信「……っ」
布が擦れるだけで謙信様の身体は震えている。