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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)


謙信「お前は勘違いしているっ!はっ……、っ!
 だめだ、頭が……ゆる、せ…!」

「えっ、ひゃ」


汗ばんだ手が私の手首を掴んで引っ張った。

謙信様の膝上に思いきり乗り上げ、まるで私が迫っているような体勢になっている。


「ごめんなさいっ、重いですよね」


寝間着が肌けて露わになっていた胸板に直接触れ、その熱さに驚いた。


「汗、さっき拭いたのにまたこんなに…。熱も凄いです」


熱を確かめるために伸ばした手は、汗ばんだ手に阻まれた。


謙信「はっ、舞………すまないっ。
 触れてくれ……お前に、触れて欲しい……」

「っ」


理知的な謙信様はそこには居なかった。

欲に押し負けた瞳がギラギラと光り、怖いくらい欲望をむき出しにしている。

鋼の精神を持つ謙信様を変貌させた薬の強さは、いかばかりだろう。


「謝らないでください。春日山に置かせていただいてから今日まで、謙信様のお役に立てたことはありませんでした。
 私に出来ることがあればいくらでも……」


勇気を出して指で濡れた肌をなぞると、謙信様の身体が震えた。


謙信「っ……役に立つ、立たないなど…関係…ない。
 この世の悪を知らぬ、愚かで…清らかな舞を……、誰もが守りたいと…一致している。皆を和ませ…、は……今や居なくてはならぬ存在だ」


謙信様は私の手を掴まえて、ふり絞るように言ってくれた。

戦闘力・思考力ゼロどころかマイナスの域に居る私は、武将であり、城主である謙信様と接点がない。

佐助君と過ごしている時に謙信様が訪ねてくるとか、掃除をしている時にたまたま通りかかるとか、そのくらいだ。

謙信様の視界には取るに足らない女として映っているのだろうと思い込んでいたから、例え慰めの言葉だとしても嬉しかった。


(清らか……ではないと思うんだけど…、謙信様にはそう見えているのかな)


聞いてみたいけど元の関係にすんなり戻るためには聞かない方が身のためだ。

恥ずかしさを隠せず、はにかんだ笑みを向けると、謙信様が緩く見返してくれた。

まるで私の恥じらう様子に満たされたとばかりに、激情が渦巻いていた表情が鎮まっていく。


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