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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)


(謙信様はこんなところで躓いて良い人じゃない)


身内の大名の策に嵌り、弱りきった姿なんて、誰にも知られてはいけない。

知っているのは私と兼続さんだけ。

助けられるのは、私しかいない。


「これから起こることは、薬を抜くための治療だと割り切りましょう」


謙信様に状態をわからせるために二の腕をさすってあげると、形の良い唇から艶めいた声が漏れた。


「腕を撫でただけで辛いでしょう?薬が切れるのを待っていたら謙信様がおかしくなってしまいます。
 私はニセの恋仲をまっとうすることもできませんでしたし、謙信様に助けていただきました。
 どうか役に立たせてください」

謙信「やめ……ろ」


謙信様の帯に手をかけると、その上から手を掴まれた。


「同意なしで触れるのは、相手が女でも男でも犯罪です。
 嫌なら……部屋に戻ります」


謙信様は禁欲的な方だし、もし噂通り本当に女性が嫌いだとしたら、私の申し出は嫌悪でしかない。

判断を委ねて手を止めると、荒い息をつく謙信様と暗がりで目が合った。


「どうしますか?」


沈黙が続き、濡れたように光る目を見ながら返事を待った。


謙信「こんな形で…お前に、触れたくなど……な、い」

「?」


(こんな形?ってどういう意味?
 どんな形であろうと触れたくなかったってこと?)


私の立ち位置は佐助君の知り合いであって、女性としてNOということだろう。

過去に謙信様から貰った言葉と言えば『ぼんやりしている』『ふぬけている』だから、綺麗だ、可愛いなんて評価は期待していなかった。


(真正面から言われちゃうと、堪えるな…)


「どうせ今夜限りの関係です。
 女が私しかおりませんので我慢してもらうしかありませんが、嫌だと仰るなら無理には…」

謙信「違う。そう……じゃない」


謙信様が両眼を閉じて苦悶の表情を浮かべている。

どう違うのか聞きたくても口からはハアハアと息が漏れ、さっき汗を拭ったところに新しい汗が浮かび酷く辛そうだ。


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