第27章 魔女の薬(謙信様ルート)(R-18)
謙信「……………ぅ!」
(も、駄目だ。これ以上、無視できないよ…!)
私を呼ぶ声を限界まで無視し続け、良心が痛んで仕方ない。
(取り返しのつかないことっていうのは、私と謙信様の関係性が変わることじゃない)
潜り込んでいた布団をはねのけて、部屋を仕切る襖の前に立った。
『慰める』ことの意味を改めて考え、迷いながらも襖に手を伸ばす。
謙信様が薬で気が狂ってしまう方が、
助けを呼んでも来なかったと心に傷を負うことの方が、
……取り返しのつかないことだ。
迷いを振り払って、部屋を隔てていた仕切りを開け放った。