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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第26章 魔女の薬(共通ルート)


(謙信様……)


謙信様の手伝いにきておきながら、中座しなくてはいけない無念が胸に広がった。

グズグズしていると謙信様がスルリと頬を撫でた。

鋭い眼差しには早く立ち去らない苛立ちよりも、労いの色が浮かんでいる。


謙信「そう寂しそうな顔をするな。俺も少ししたら行こう」


切なさが滲んだ声。

恋仲の演技に飲まれそうになった。


「っ、謙信様が居ないと私は寂しくて眠れません。
 早く……早く来てくださいね」


演技に本音を混ぜると、謙信様は口の端に笑みを湛え、緩やかに頷いた。

失礼のないよう新しい当主に中座の挨拶をしていると、好機とばかりに女達が腰を浮かせていた。


(女嫌いなのに、大丈夫かな……)


広間の襖が締まる寸前まで謙信様が心配で仕方がなかった。


兼続「……心配ない。行くぞ」


手を引いてくれる兼続さんの手が……熱かった。


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