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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第26章 魔女の薬(共通ルート)


――――
――

謙信「舞、今宵はもう良い。さがって休め」


さっき乾杯の音頭がとられ、宴は始まったばかりだ。

いつもの謙信様なら徳利を何本か開けていても良い頃なのに、乾杯の時の1杯しか飲んでいない。


「まだ宴は始まったばかりですよ?
 謙信様がお酒を飲み過ぎないようにと佐助君に頼まれているんです。
 もう少しお傍に居させてください」

謙信「もう飲まぬから安心しろ」

「?」


(もしかして体調が悪い?)


無言で問いかけると謙信様はフイと目を逸らした。


(本心を明かしてくれないのは信頼がないから、かな…)


謙信様は信玄様や幸村、佐助君とはあんなに仲良さそう?に話しているのに、私とはあまり打ち解けてくれない。


(女嫌いだもんね。いつも一線を引かれてるし。
 結構憧れてるんだけど、残念)


私が男だったら少しは頼ってくれただろうかと寂しいため息を吐いた。


「謙信様、早くに私が退席したら当初の目的を果たせないのではないですか?」


宴の席には着飾った大名の孫娘達が参加している。

私に遠慮してまだお酌には来ていないけど、退席すれば間違いなく徳利片手に迫ってくるだろう。

謙信様の盾になるべくやって来ておきながら、中座しては意味がない。


「それとも私では役不足でしたか?」


孫娘達は高校生くらいの年頃で、花のような可愛らしさがあった。

それに比べて私は……だ。

この時代では決して若いとは言えない年齢だ。


謙信「……」


謙信様は何も言ってくれない。


(年齢だけはどうしようもないしな…。
 それに今日は何かとやらかしちゃったし、謙信様も怒ってるよね…)


大名の城に到着した際、開放感を得たいがために駕籠から意気揚々と降りたのが不味かっただろうか。

それとも着物の裾を踏んで転びそうになったのが駄目だったか。

化粧にやたらと時間がかかって足が痺れて動けなくなったのもいけなかったか…。

兼続さんはため息ばかりついていたけど、謙信様は無表情で、呆れているのか怒っているのかわからなかった。


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