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☆姫の想い、彼の心☆ <イケメン戦国>

第25章 耳掃除をしよう(安土勢)


「九兵衛さん、これを秀吉さんに届けるように言われました。
 至急だそうです」

九兵衛「承知いたしました」

「そ、それで……」


光秀さんが熱を出していることを言っていいものか迷っていると、九兵衛様は懐から薬包をひとつ取り出した。


九兵衛「舞様に度々迷惑をかけて本当に困った方です。
 申し訳ありませんが、これを飲ませていただけますか?」


(光秀さんの不調に気づいていたんだ。
 流石だな、九兵衛さん)


九兵衛さんの後ろには看病に使う一式が用意されていた。


九兵衛「むさ苦しい私よりも、舞様に看病された方が回復も早いと思われます。
 私が戻って来るまでの間でかまいませんので、よろしくお願いします」

「え?は、はいっ」


(九兵衛さんをむさ苦しいなんて思ったことないけどな)


そう思ったのが顔に出ていたのか、九兵衛さんは小さく笑った。
ふっと吹き出した顔は大人の魅力が滲んでいる。


九兵衛「男同士とはそういうものですよ」


ドキっとしている間に、九兵衛さんは去っていった。


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